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2011年4月15日金曜日

次世代に負担を残さないことが我々の義務ではなかろうか

小生のTwitterにおける発言を二つ。

積算放射線量を測定するくらいの神経質な人なら、他の有害な化学物質の累積摂取量も当然押さえてますよね?

癌化要因がすでに確定している(が、それを自覚していない)大人たちが今さら低量の放射線曝露にびくびくしているのは、冷静に考えれば滑稽な風景だわな。
これらは釣り気味ではありますが、真面目にそう考えているから発言しただけなのであります。狂牛病の時もそうだったけど「米国産牛肉がヤバいから規制しろ」みたいな動きになったはいいが、それまでに食べた米国産牛肉がどれくらいだったかとか、そもそもどれだけ食べれば狂牛病になるのかとかお前らどれくらい考えたんだよ、と突っ込みたいところはありました。それほど病的なまでに神経質になって米国産牛肉(の特定部位)を避けていた日本の様子は理不尽かつ滑稽で、米国産牛肉使いまくりのブリトーや脳みそ入りタコス食いながらニュース見てヘラヘラ笑っていましたよ。

で、今回。

企業のタバコ部屋でタバコをプカプカ吸いながら放射能汚染を不安そうに語り合うメタボリック症候群全開おじさんたちを描写するTweetは私も何度も目にしましたが、これって面白いですよね。結構な確率で慢性疾患か癌にかかりそうな人達が、微量の放射性物質による内部被曝による癌発症確率の上昇を恐れる... ブレーキが壊れている車に乗っているのにその事実には気づかず、バックミラーの向きばかり心配している、みたいな。

タバコは一例なわけでして、私達は日頃の生活で身体によくない物質を多かれ少なかれ取り込んでいるわけです。僕らの世代なら中国やソ連の核実験でばらまかれた放射性物質もそこそこ浴びているはずだし。極論すれば、各自の寿命は決まっていると思って良い。もちろんそれは人によって異なるし、それがいつやってくるかは今はわからない。でも、今さら微量の内部被曝が追加されたところで、その寿命は大きくは動かないでしょう。にも関わらず、十年、数十年先の癌発症率の増加を妙に心配する人達がいる。私はそれが滑稽に思えて仕方ないのです。

この辺でヨード剤買いあさったアメリカ人も然り。アホ。
おまえは今まで浴びた放射線の量をおぼえているのか?

私は62歳、20年後に癌になっても平均寿命。放射線など怖くもなんともありません。野菜も魚もR指定にすれば、もりもり食べて生産者と盛り上がります。福島にR指定ボランティア特区ができればどんどん入ります。だけど、子どもや若者はなんとしても守らねば
もちろん、赤ちゃんや子供、あるいはこれからお母さんになる女性は話が別でしょう。子供達には未来があります。この人達は保護されるべきだし、きちんとした情報公開や周囲の支援が必要と信じています。



えーと...

なんでこんなことをノブオ総研で書いているのかというと... 経済学者であり原発専門家でもいらっしゃる池田信夫氏が「原発は安全か否か」「原発は経済的に合理的か否か」という視点でしか語ってくれないことを憂いているからであります。しかも安全か否かはどうやら死亡率でしか考えていないようだし。反論する側もそれに乗っちゃって、もうなにがなんだか。

なぜ死亡率を考えるのでしょう。それは「死」という出来事に対するこだわりがあるからだと私は考えています。死んだら、それまで。だけど、いつ死ぬかはわからんわけですよ。明日事故に遭うかもしれない。実はもう癌を患っているのに検知されていないだけかもしれない。死神はいつやってくるかわからんのです。

そういう人それぞれの人生を「100万人あたりの死亡件数/年」みたいな統計で片付けちゃうあたりが、やはり経済学者なのかな、と。

死ぬ前に

人はいつ死ぬかわかりません。死んだらどうなるかもわかりません。「無」になるのかもしれませんし、「あの世」に行くのかもしれません。いずれにしても戻って来られないのですから、死んだらそれまでです。だから私は死を恐れます。

正確には「後悔しながら死ぬこと」が怖いのです。

ここでいう後悔とは、もっと旨いもの食べておきたかったとか、もっと遊んでおけばよかったとか、もっといいクルマ乗りたかったとか、そういう物欲ではなく、精神的なものです。自分は無信仰なので天国も地獄も信じませんが、昔の人達が「地獄に堕ちる」と表現したような状態では死にたくない、とは考えています。

もちろん、自分は聖人君子でもないし、とても善人とはいえません。そんな微悪人であっても、次世代の負担で自分達の利益を最大化する、という考えには賛同できないのであります。

福島第一の処理費用はもちろん、これまでの原発の廃炉費用、使用済燃料の最終処理費用に加えて、現時点でもどんどん積み上がる財政赤字、年金負担などなどを次世代に押し付けて死んでいく、というのは自分にはあまり気持ち良いものではありません。この上にさらに、子ども手当の財源まで国債で子供達に押し付けたら、もうそれは冗談としか思えない気持ち悪さです。

だけどそういう大きな問題には触れず、東電けしからんとか、放射能怖いとか、大局的にはどうでも良い問題に私達は振り回されるわけです。池田信夫氏然り。彼に釣られる人達然り。

我々の世代にできること、片付けるべきことをそろそろ明確にしておくほうがいいと思うんですけどね。

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